こどもの頃から医者になるのが夢で、将来は父親や祖父のような誰からも尊敬をされる人になりたいと思っていました。
私の家系は島根県松江市で長年、婦人科を開業しています。
江戸時代からそれは続いており、私で9代目になるわけです。
医者になるのが夢であると同時に、必ず病院を継がないといけないという使命も背負っていました。
地元の進学校を卒業してから東京の私立大学の医学部へと進み、そのままストレートに国家試験に合格をして無事に医師になりました。
当初は婦人科医を希望していたものの、5年間の研修ではまずは救命医を経験させられ、そのあとに小児科・外科・内科といろんな診療科を転々とさせられることをはじめて知りました。
各診療科では2年間の研修となるため、さほど専門的な技術と知識を身に付けることはできません。
そしてこれからの医療では婦人科の需要はなくなっていくと、先輩からも教わりました。
開業医というと高収入で優雅な暮らしができるとお考えに方もいますが、実際は違います。
医薬品や検査機器の購入、さらには雇用をしているスタッフの給金を支払うと赤字経営になるのは目に見えているでしょう。
我が家もその類で、父親は何度も閉院を考えている始末です。
そんななか、これから高い需要が見込める診療科もあり、それが美容外科です。